あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。





「魔界だと?」

「はい! 違うんですか?」



 この地獄のような場所が、魔界以外になんと呼べるのでしょうか。


 後ろを向いて見上げると、少し眉をひそめた彼と目があった。



「こんなところと、一緒にするな」

「…………」



 睨まれたのは、気のせいでしょうか。




「ってことは、ここは魔界じゃないんですね?」


 
 すると、彼は不機嫌そうな顔で頷いた。


もともと無表情だった彼の冷淡な雰囲気は、更に冷たいものへと変化してしまった気がした。

 
 それにしてもこの地獄のような場所が、魔界ではないとは……。


やっぱり想像と現実は違うのか。


 じゃあ本物の魔界とはいったいどのような場所なんだろう……。


 
「今から、その魔界に行く」

「へっ? 魔界にですか!?」

「……悪いか」

「……いいえ」



 端正な顔のせいで、睨まれると迫力が増して余計に怖い。


眼力だけで、あたしは気圧されてしまう。


 お願いですから、睨まないで……!