「アルバートなら、できるでしょ?」
「……できないことはないが……」
そういったアルバートは、一瞬顔色を暗くする。
どうしたの?
「ムリなら、いいの」
あたしがそういうと、アルバートは顔を上げた。
「いや、大丈夫だ。まお、その依頼を受けよう。しかし、その働きに見合う褒美を君がくれないか」
「それはもちろん。 でも、あたしがあげられるものなんてそう高価なものはないよ?」
「高価なものでなくていい。 前払いになってしまうが、今この場でもらえるものだ」
「え──?」
今この場であげられるもの……?
「まおの血を──吸わせてくれないか」
ここは戦争で、目の前ではあたしの大切で大好きな人が危機的状況に陥っている。
なのに、目の前の美しいヴァンパイアは、助けたいのなら血を捧げろという。
しかも、本気で。
〈やめろ、まお! そいつの言うことなんて聞くな!〉
シュガーが心の中で怒鳴っているのが聞こえる。
しかし、シュガーも他の兵と戦っている最中で、すぐに会話が途切れてしまった。
ここは、どちらを取るべき?
自分を取るのか、大好きな人をとるのか……。
そんなの、決まってる。
「──いいよ」
あたしは、正面からアルバートを見つめると、力強く……頷いた。

![あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/684618/kvlyibwqof-thumb.jpg)

