あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。




「誰だ、お前!」

「ごめんなさい!」



 一人の兵士を謝りながら魔力をほんの少量流し込んで気絶させたとき、クコが前を指差し叫んだ。



「カカオ王子たちです!」



 カカオはボルトにまたがり、青い魔力のオーラを放つ剣を携えて、そこにいた。


 周りには、ところどころ血がにじんでいるのが伺える護衛たちが、さらにその周りを囲むようにしているオスガリアの兵士に、魔力を纏った槍を向けていた。


 なにあれ!


 すごい危機的状況じゃない!


 指揮官で、ウェズリアの王子でもあるカカオを倒せば、ウェズリアは征服できる。


本来なら国の頂点のものが最前線に出てきていることが異常だ。


討伐されてしまえば、その国はトップを失い、崩壊するからだ。


しかし、この国は今は人手不足と言えるほどで。


カカオも国を守りたい一心で、自分が前に出ることが危険な行為だとわかっていても最前線に立っているんだ。


そんなカカオだから、周りの人にも慕われている。


今、彼の周りにいる護衛たちもそれをわかっているのだろう。


彼が背中を預け、彼らもまた、己の背中を預けて主君の背を守ろうとしている。


 そしてそんなカカオに群がるように、兵士が集まっていた。