その時、桜色の唇が、震えた。
「ん……」
「あ、起きた」
女の子が、リカエルさんに抱きかかえられたまま、ゆっくりと目を開けた。
「おねえ、ちゃんたち……だれ?」
切れ切れな言葉で、まだ完全に回復していないことが伺えた。
「あたしたちは、ウェズリアの魔術師。 ねぇ、あなたなんでこんなところにいるの?」
これを機に、あたしは女の子に詰め寄る。
「名前は?」
「わたし、クレア。 どうしてここにいるのかは……わたしも魔術師だから」
そういったクレアは、着ていたマントを見せた。
その背中に書いてあるのは、王国の紋章。
「っ!」
やっぱり……軍関係の子……。
けれど……魔術師!?
こんなに幼い子が?
あたしたちは、驚きを隠せない。
すると、リカエルさんが何かを考え込むように、首を傾げた。
「そういえば、王子から聞いたことがある気がします。 わずか10歳でウェズリア軍隊所属魔術師隊に入った、天才魔術師がいると……!」
そんなこと、あるのー!?
あたしはあんぐりと口を開けてしまった。
まさに、開いた口が塞がらないだ。

![あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/684618/kvlyibwqof-thumb.jpg)

