あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。






「っはい!」



 リカエルさんの声で、クコは女の子の脇にしゃがみこんだ。


 
「もう、大丈夫だからね」



 クコは優しい声をかけ、持っていたハンカチで肩の傷口を押さえる。


 たちまち白いハンカチは、赤く染まっていく。


 あまりの激痛に女の子の口から、うめき声がこぼれた。



「ちょっとだけ、我慢して……」



 傷口を押さえたクコは、空いているほうの手を女の子に掲げた。


 次の瞬間、クコの手のひらから淡い黄緑色の光が、溢れ出す。


 ふわり、ふわりと、まるで雪のように舞う光は、徐々に女の子の傷口へと集結していく。


 すると、青白く険しかった女の子の表情が、わずかに和らいだ。


 全身に入っていた力も、抜けていく。