あたしたちウェズリアは、オスガリアの退却を目的としている。


だから、どちらかというと攻撃よりも防御を上げておきたい。


その防御に必要なのが、この防御結界だ。


薄く透明で、ぱっと見では結界が張ってあるかどうかわからない。


魔力を持たぬ者では、それを見ることすら叶わない。


しかも、防御結界は、攻撃を跳ね返すのではなく、吸収してくれる。


どんな魔術師も、基本的に防御魔方陣を張ることは出来る。


それは、魔力でできた透明な盾といった感じだろうか。


防御魔方陣は自分の正面だけを守れる盾に対し、防御結界は身体全体を覆う鎧だ。


防御結界は、応用が効く。


 最近なぜだか気持ちが何かに追い立てられているかのように焦る。


 何かをしていないと落ち着かなくて、不安が拭えない。


 まるで、これからとてつもない何かが起こってしまいそうな……そんな気がする。


 大切なものを、失ってしまうような……。


 だから、余計に防御結界を張れるようになりたかった。