あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。




「何があるの? あたし、何も知らないよ⁉︎」

「知らせていなかったか?」

「何も知らないです!」



もう、何なの?


早く教えてよ!!


何を勿体ぶっているのか、彼は何も教えてくれず、挙げ句の果てに部屋の中央に立てと言った。


「何? 本当に何が何だか……」

「まぁ、ちょっと静かにしておけ」


絨毯の模様の中央に立たせ、カカオはその前に立つと、これでよし、と頷いた。


そして、唐突に掌に魔力を集め、魔法陣を展開する。


辺りに彼の瞳の色と同じような青の光が広がると光は無数の球体になり、あたしの周りを囲むようにしてふわふわと浮かんでいる。


しばらく周囲を浮遊したかと思うと、あたしの身体に吸い込まれるように集まった。



「わっ」



それは全ての光があたしを包み込み、あたし自身が発光しているかと錯覚するほどで。

そして、最後の一つが胸元に集まったとき、足先と手先の光がぽぉんと高い音を立て、弾けた。

足を見ると、カカオと同じような黒革の編み上げブーツになっている。


手も、ブレスレットがいくつも連なっている。


一瞬、何が起こったのかわからなかった。


そうこうしているうちに、身体の部分の光が弾け、簡素なワンピースから、布をたっぷりと使い黒を基調とした軍服ワンピースに変わる。


耳元も光ったかと思えば、あたしの瞳と同じ色の雫型の宝石のイヤリングがぶら下がる。


最後に肩から背中にかけて光が集まり、弾ければバサリと音がして床に引きずるほど豊かなマントがあたしを包み込んだ。