「……失礼します」
部屋に入ってもあたしは俯いていてカカオと顔を合わせることができない。
入ってすぐのところで動かず固まってしまう。
すると……。
靴音が聞こえ、視界に黒革の編み上げブーツを履いた長い足が入ってきた。
よっ、寄ってきた……。
「まお? 何をしているんだ?」
「えっ……と……」
「その格好は何だ?」
「へ?」
そんな質問が来るとは思わなくて、思わず顔を上げた。
カカオは黒の軍服と国章の入った黒いマントを身に纏っている。
あれ?
普段はもっと飾りなどがごちゃごちゃ付いていないシンプルで動きやすいやつじゃなかったっけ?
今彼が着ているこれは、王族の正装だった気がするんだけど。
正装ってことは……何か国事があるの?
「まおは正装しないのか?」
「へ? あたしも⁉︎」
というか、やっぱり何かあるってこと?

![あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。[2]](https://www.no-ichigo.jp/img/member/684618/kvlyibwqof-thumb.jpg)

