あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。



 *


 
「はぁ~……」

「大丈夫か、まお」



 ベッドに力なく倒れこむと、カカオが心配そうにこちらに乗り出してきた。



「嵐のような一日だった……」

「戦争に乗り込んだり、 ヴァンパイアに襲われたり、 口説かれたりしたからな」

「…………」

「……すまない、冗談だ」

「バカ」



 カカオの茶化したような声に、あたしはジト目で彼を見て、悪態をつく。


 すると、あっさりカカオは折れてしまう。


今は部屋に二人きりだ。


どうしてこんなことになっているのかと言うと……。



***


 あれから、あたしは部屋に食事を運んでもらい、部屋でしばらく休息を取ることになった。


 
『じゃ、ありがとね。 また明日』


 そういって、いろいろと世話を焼いてくれていたメイドさんやシュガーを追いだし、部屋にひとりになった。


さーて、もう寝ちゃおうかな。


そう意気込んで布団を被ろうとする。


 だけど……。



『あれ……?』



確かにドアの向こうに気配を感じる。


その気配は、音もなく扉をあけて中へと侵入した。


 誰?


 
『あのー……誰か用ですか?』



 天蓋の向こう、ここからでは見ることのできない人に話しかける。



『…………』



 すると、その人は無言でベッドまでの距離を詰めた。