あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。






「はぃぃい!?」



 あたしは意味不明な言葉を発しながら、へなへなと大きなクッションにもたれかかる。


 か、身体に力が入らない……!


 するとカカオが、まだあたしの手を取っていたアルバートの手を手刀でたたき落とす。


 そしてあたしを背後に庇うように、アルバートとの間に割って入った。



「なんだ?」


 
 立ち上がり、平然としているアルバートのその声は、笑っているように感じる。


 まるで、カカオのことを何とも思ってないみたい。


 
「まおに触るな」



カカオもカカオで、どこかひやりと冷たい視線をアルバートに送る。


アルバートは、僅かに瞳を細めた。



「──もしかして、貴方も彼女のことを……?」

「……」

「……えっ?」



 なぜかアルバートの言葉に反応してしまう。


 思わず視線が彷徨い、とりあえず前に立つカカオの背中を見つめるけど、そこからは何も感じない。


 カカオ……?



「……私の国の魔女に手を出すというのか。 いくら、戦争に協力してくれると言っても、まおは渡さない」

「……そうか」



スラスラと言葉を羅列したカカオに、アルバートは意外にもすんなり頷いた。


 びっくりした。


 急になんの冗談かと思ったよ……。


 アルバートみたいなイケメンが、なんであたしなんかをって、疑問だし。


でも魔女の戦力が欲しいっていったら、話は別だよね。


もしもの時のために、アルバートはあたしを味方につけておきたいのかもしれないし。


 それに……アルバートについてったら、血吸われそう!