あたし、『魔女』として魔界に召喚されちゃったんですが。






「別に、参加してくれるのなら断らない……しかしオスガリアの者を触発するな。俺たちが戦うのは、あくまで自分たちを守り、相手を退却させるためであって殺すためではない。許可なく血を吸うことも、人を弄ぶことも禁ずる」

「……承知しました。 ヴァンパイアの長であるこのアルバート、カカオ殿下の御言葉確かに頂戴いたしました」



 アルバートは胸に手を当て、マントを反対の手で摘み、カカオに向かって一礼する。


紳士の姿勢を見せるアルバートは、その容姿も相まって貴族のようにも見える。


 そして、胸元からひとつのネックレスを取り出した。


 それは、金の豪華な装飾に縁取られた真っ赤なルビーのネックレス。


 まるで、アルバートの瞳のよう……。


 それに見とれていると、アルバートはこちらにあたしの首にそのネックレスをかけた。



「え? アルバート、これ……」

「これに魔力を送り、話しかけていただければ、私は貴方様の元へすぐに向かうことができます」



そう言ってアルバートはあたしに頭を下げる。



「なんでまおに?」



 未だアルバートを警戒しているシュガーの質問はもっともだ。


 すると、アルバートはクスリと妖艶な笑みを浮かべた。


 そして、ベッドに近づくと……あたしの手を取り──口づけた。



「っ!」



まるで王子様のような動作。(隣に本物いるんだけど)

 
 突然のことに、理解できないあたし。


 ただ、パクパクと魚のように、口を開け閉めする。



「まおに持っていてほしいんだ。 まお、キミに一目惚れしてしまったんだ」



 なに、その歯の浮くようなセリフ。


 それでも、あたしを真っ赤にするには十分過ぎる言葉。