「とりあえず、カカオに近づかないと……」

〈敵に見つからずに行くのは難しいぜ。 それに、あの王子に勝手に来たこと知られていいのかよ〉

「…………」



 そうだった。


 知られたら、怒られるかも。


 そのときだった。



「ぐわぁぁあ!!」



 爆発音が響き渡ったかと思うと、数人が吹き飛び、悲鳴が上がった。


 今飛ばされた人は……ウェズリアの魔術師!


 オスガリアの武器にやられたの?


 白煙がようやく晴れたかと思うと……そこには数人の魔術師が、血まみれで倒れていた。


 
「やっ……!」



 あまりの悲惨さに思わず顔を背けてしまう。


 だけど……。



〈やべぇぞ、まお。 オスガリアのやつら、まだ息のある魔術師たちの息の根を止めようとしてる!〉



 その声にハッとした。