足もとを温かい風が吹いていく。


 あたしはいまだに上空にいた。



「シュガー……あれ……」

〈おう……〉



 あたしは言葉を失っていた。


 足もとに広がっているのは、あの白煙と爆発音。


銀の鎧を着込み、剣と盾を手に戦う者と、黒いマントを着ている者たちは、我が国の者だろうか。


 数人の魔術師たちのような姿が見える。


 魔術師とオスガリアの戦士たちが、互いの武器を手に、戦っていた。



〈あれ!〉

「……! うん」


 
 シュガーが言った方に、あたしは下降していく。


 あたしの先にあるのは、小さな騎馬隊。


 その中央に、あのミルクティー色の髪が見えた。