頭から、血の気が引いて行くのがわかる。


 本当に、今、あそこで戦争が起こってるんだ……。



「まお様、私は城の救護隊に素早くあちらに向かうよう、報告してこなければなりません。 申し訳ございませんが、ここにいてくださいますか?」


 
 リカエルさんは、メイド長。


 そして、実力2位、3位を争うもの。


軍隊の指揮官が城にいない今、その代役を務めるのは彼女の仕事だ。


 身体が硬直してしまい、なんとか頭を動かして、頷いた。


 
「なにかありましたら、すぐに私に連絡してください」



 リカエルさんは長い銀髪を翻し、素早く中庭を出て行った。