幸せのイス

ちりんちりーん…

おじさんが出ていったあとに入ってきたのは、にぎやかな親子だった。

「やった!ぼくね、オムライス!旗はついてるかなぁ?ねぇ、お母さん、あとでパフェも食べていい?」

「オムライスちゃんと食べたらね。」

ほほ笑むお母さんを見ていたら、ぼくは急に泣きたくなった。

さっきのおじさんも、昔はこんなに無邪気に笑っていただろうに。

ぼくは、少し涙をこぼした。

幸い、小さな子がこぼしたオレンジジュースにまざって、誰もきづかなかったけどね…