禁忌の翼


アレクは照れ臭そうに頰をかきつつ、少し迷うように口を開いた


「あの、さ。実は俺、その……
マリアに、指輪を渡そうと思うんだ」


ああ………



私は歪みそうになった顔を必死で微笑みで誤魔化し、喉から声を振り絞って


「あら?ふふ…
もしかして、婚約指輪かしら」

茶化す。

「う、ん。恥ずかしいなあ…。
俺もそろそろ結婚とか考えられる歳だからさ。
ベアトリーチェに、どんな風に渡せばマリアが喜ぶか、相談したいんだ」