禁忌の翼


しかし、私の想いなどは叶わぬもの


アレクには、婚約者がいるのです。



「ありがとう、アレク…嬉しいわ。
でも、これは一体?」


「うん、出先でね。ベアトリーチェによく似合いそうだと思って買ってきたんだ。」


アレクは商人の家の息子であり、度々街まで出張することがある


「でも、マリアに悪いわ」


「ああ…うん。
マリアには、別のものを買ってあるからね」


マリアの名を口にすると、アレクの頰が朱に染まった

そう、マリアこそアレクの婚約者