泉からあがり、濡れた身体を拭こうと衣に手を伸ばした時、近くの茂みで音がした
驚いてそちらへ目を向けると…
いつも、私の美しさを賞賛する言葉を送ってくる男がいた
「あ…」
「ああ、すまないベアトリーチェ!!
見るつもりはなかったんだ!
その、君があまりに美しいからつい…」
謝罪の言葉を口にしているが、目が情欲に染まっているのがわかる
今も、一糸まとわず、身体を拭くだけで隠すのにはあまりに心許ない布で身体を隠そうとしている私を、男は目をそらさず凝視している
「ベアトリーチェ、その…水浴びしている時に、悲しそうな顔をしていたよね?
どうかしたのかい?」
どうやら、アレクとマリアについて考えて、顔を歪めていたのを見られていたようだ
私はふっと目を閉じた
アレク…
明日に、彼はマリアのものとなる
私が、欲しくて欲しくてたまらないアレク!
ああ、ああ…
もう、どうでもいい

