黄色い声援に笑顔で応えながら、彼は挨拶文を読んでいく
遠くて、あんまり見えないけどたしかにかっこいいとは思う
まぁ、私とは住む世界が違うってのはわかる
これから関わることもないだろうし、キャァキャァ言う取り巻きにもならないと思う
あんな手の届かない人でなくて、もっと平凡で、優しいそこそこイケメンくらいと付き合えれば儲けもんよ!!
な〜んてことを考えていると、いつの間にか彼の挨拶は終わっていて、入学式が終了した
「椿、今日どうする?買い物でも行く?」
「そうだね、いろいろと買いたい物あるし!」
そして、優香と大学を出ようとした時
「あの!!」
突然誰かに呼び止められた
振り向くとそこには…
「へ?」
「僕、新城拓真って言います」
キラキラスマイルでそう自己紹介したこいつは…
あの、入学式に挨拶してた王子様だった
「あなたのことが好きになりました。よかったら僕とお付き合いしてください」
