そっか。

言ってなかったのか。

……でもさ。


「それって、言わなきゃいけないことなの?」

純粋に尋ねたら罵倒の嵐が返ってきた。


「天然鈍感、浮気性のボケ女」


ひ、酷い!なんか単語増えてるし!

違う意味で涙目になった瞬間、後ろから身体をギュッと抱きしめられた。

そして、耳元で囁かれる甘い声。



「でも……ダイスキ」


たった一言に、私の心臓は翻弄される。


「だから休日まで他の男に会わせたくなかった」

あ、あれ…?

なんだか、これって…。


「お、おかしいよ。それって…ミオちゃんが二人に嫉妬したみたいだよ?」


ミオちゃんはロボット。

ロボットは感情を持たない。

嫉妬だなんて…。


「リリカ。僕を見くびるな」


ミオちゃんは私の顔を自分の方へとひねった。


「ロボットにだって、学習能力はあるんだよ」


そして唇に落とされた不意打ちのキス――。







「………ばか」


機能停止状態のミオちゃんに、そっと伝える。


「私も、大好きだよ。……ミオくん」


そして私は、目覚めのキスを彼に送った――。