ミオちゃんにキス!!


ドゴンッ!!と近所迷惑な音が響き、ドアが破壊された。

「目標、榎本リリカを確認。非常用プログラム解除」

聞こえた声は、よく知った清んだソプラノ。


「み、お…ちゃん?」

「エラー発生。強制終了します」


玄関先で目を閉じたのは、連れていかれたはずのミオちゃんだった。

「ミオちゃん!!!!」


そう。

ミオちゃんだけ、帰ってきたのだ。

聞けば自力で研究所から脱走したとか言うし、ホント…無茶苦茶だよ。


でも、だからこそ私は今も独りじゃないわけで。



「ミオちゃん…」

クラスメートが帰った夕方。

私はミオちゃんにキスをする。

私が今笑っていられるのはミオちゃんのおかげ。

エラーになっても、バッテリーが切れかかっても必死になって私のところへ帰ってきてくれた貴方のおかげだから…。