少し癖のある金髪。

鬱陶しく感じたこともあるが、この髪もなかなか捨てたもんじゃないな。

マイ・プリンセスに気持ち良さを与えられるなら我慢してやろう。


「トゥランダフィール、プログラムは解除されましたか?」

「ああ。だがマイ・プリンセスに仕えたいという俺の意思は消えない」

上から彼女の汚れない瞳を覗き込む。

「俺にできることは何もないだろうか?」

ジッと見つめればマイ・プリンセスは腕を組んで考え出した。

「ん~……。あっ!ならね、もう一回しゃがんで!」

ん?どういうことだ?

疑問に思いつつも身体は素直に従う。

もう一度ひざまずいたら突然マイ・プリンセスの両手が俺の頭に触れた。

彼女の指に俺の金髪が絡まる。

「マイ・プリンセス…?」

「レポート疲れで癒しがほしいの。フィール、もうちょっとだけ触らせて?ね?」


癒し、か。

自然と頬が緩む。

俺の存在が君の癒しになるのなら――。


「喜んで」