「あれ、落ち込んじゃった?」


「謝ったほうがいいんじゃないの?」


「俺か? 俺のせいなのか日野!?」


「しゃべってたのお前だけだし」


「待て待て待てい! 俺は納得できんっ!!」


「お前はもうしゃべるな。馬鹿がうつる」


「うぉい! 聞き捨てならんことを抜かしてやがるのはどこのどいつだ!」


「俺だが、何か問題でも?」



 私の隣に歩み寄ってきたのは若葉くんで、凍りついた朝桐くんへ、にこりと笑いかけた。



「部活が終わったなら早く帰りましょうね。下校時間が近づいてますよ?」



 ……なぜに敬語?