今日は部活もなく、ホームルーム後は速やかに下校するのみ。

 そんなわけで、渡り廊下にて人待ちをしている最中です。



「ごめん、待たせちゃったかな」


「ううん、お疲れさま、若葉くん!」



 向こうから駆けてきたのは、黒フレームの眼鏡をかけた、黒い艶髪の男の子。

 一見普通に見える彼は、ある特殊な体質の持ち主。



「先生から体育館倉庫の整理を頼まれてたんだっけ」


「うん。授業に出ないんだからそれくらいはしないとね」