「できないんだ」


「……な」


「もしかして、やったことないとか?」


「馬鹿にすんな! キャッチボールくらいやったことある!」


「じゃあなんでしないの? ああわかった、私が怖いんだー!」


「……大人しくしてりゃ、好き放題言いやがって……ああそうかよ、わかったよ。投げればいいんだろ。

 よしわかった、そこで待ってろ。絶対後悔させてやる!」



 ビシィ! と私に指を突きつける郁人くん。

 どうやら思惑にハマッてくれたようです。



「そうこなくっちゃ!」