「なぁに、また私に隠しごとですか? ひどい。全部洗いざらい吐いちゃってください」
「……言ってもいいんですか?」
いつもなら苦笑いを浮かべるはずの僕が、今日に限っては普通の笑みを浮かべることにどうも違和感を感じたのか、彼女が困惑する。
「な、何ですか。そんなに変な話題ですか?」
僕は微笑み、蒼く澄み渡った空を見上げる。
「今日もいい天気です。太陽の光が暖かくて、風が気持ちいいですね」
「真之さん?」
……ずっと言いたかったこと。それを、この機会に言ってしまおう。
視線を下げ、彼女を見つめる。
すると丸みを帯びた頬がポッと染まる。
それだけで、僕はこの上なく優しい気持ちになれるのだ。
「もし、今日の空のように穏やかな日々が訪れたら、そのときは――――結婚、しましょうね」
風が吹いた。


