「……大丈夫なの? 病院」


「無傷、というわけにはいかんだろう。しょうもない世の中だ。子の過失は親の過失も同然」


「許してあげたら? お父さんの仕事を手伝おうとしたのかもしれないわよ?」


「笑わせるな。あんなハナタレ小僧が首を突っ込んで上手くやっていけるほど、甘い世界ではない」


「……でも、多分気づいてるわよ、あの子」



 さゆりの言葉に、宗雄は舌打ちをまたひとつ。



「わかっている。だからこそ、反抗しているのだろう。困った息子だ」


「どうするの?」


「……このまま反抗し続けるのなら、何か考えなければならないな」