「……悪い。俺、これから塾あるから」


「待って! 石井くんはっ……石井くんは、城ヶ崎が本当にやったと思うの!?」



 立ち止まる足。


 だが振り返りはしない。



「俺は……わからない。紅林たちほど、アイツと仲良くないから。ただ本当にやったのなら、許せないことだと思う……」



 石井くんは、それっきり無言で歩き出し、やがて行ってしまった。



「……どうして、『やってなかったのなら』って、言わないの?」



 みんな、城ヶ崎のことを信じていない。


 なんて……悲しいことなんだろう……。