今日も鮮やかな蒼色の空。


 人影のない渡り廊下を、ビュウと一陣の風が吹き抜けた。


 思わず腕をさする。


 ざわざわと、枝葉も落ち着きがない。



 風当たりは厳しいけれど。




「……頑張れ、郁人くん」




 祈るように呟いて、胸の前で手を握った。