「えーと、どちら様でしょう?」 「俺は霧島郁人(きりしま いくと)。ども」 「あ、ども。初めまして」 「アンタ、紅林瀬良?」 「そうですけど……」 「ふぅん、ホントに金髪なんだ」 ギクッとした私なんかお構いなしに、少年は「まぁ、俺には関係ないけど」と視線を外す。 「……なにかご用ですか?」 「ひょっとして、オトーサンから何も聞いてないわけ?」 「おっ、お父さん!?」 その単語を聞くと焦る。 見ず知らずの人からなら尚更!