それは、本当に嬉しいニュースだった。



 ブ―、ブ―。



 晴れやかなブザーの音。


 私は軽い足取りで玄関へと向かう。


 ドアを開けるとそこには、ちょっとはにかんだ栗毛の少年。



「郁人くん!」


「相変わらず元気だな、アンタは」


「当たり前だよ。嬉しくないわけないじゃない。お帰り、郁人くん!」



 郁人くんは少し照れくさそうに、だけど今までで一番の笑顔を浮かべた。



「ただいま」