ジリリリ、ジリリリ、ジリリリ、ジリリリ…

無機質な目覚まし時計の音が部屋に響く。

何度か聞こえたような気がするけど、どうしても意識がはっきりしない。


「うー…あとごふん…」


誰もいない部屋。

目覚まし時計に言い訳をしても、言葉を理解して止まってくれるはずもない。

仕方なく、一度目覚まし時計を止めようとうっすらと目を開けた。

(う、まぶし…)

目に飛び込んでくる朝日の光に目を細める。


……朝日?


今日は早くから出勤しようと、一番初めの目覚ましは6時前に設定していたはず。

うっすらと明るいならまだしも、こんなに明るいなんて…


「やっば!!」


そこでようやく、頭が覚醒した。

時計を慌てて見ると、8時28分。