それでも邪悪は動いた!

残る左手で握り締めたネヴィロスを乱射して牽制!

セシルが思わず物陰に飛び込んで身を隠した隙を見計らって。

「なっ!」

その腕力だけで跳躍し、観覧車の天辺まで飛び上がる!

「全く」

観覧車の上で、邪悪の頭部が瞬く間に再生する。

取り急ぎ喋る為に頭部のみを再生させたが、風穴の開いた心臓や手足は、まだそのままだ。

「粗末な物を持って、ただピーチクパーチク囀っているだけなら、可愛い生娘だったのにな…そんな凶悪なモノをぶら下げちゃあ…忌々しい鉄の処女と呼ばざるを得ない」