「俺は殺せる」

そう言って、邪悪は口角をつり上げる。

「俺はいつでも貴様を視ているんだぜ、お嬢ちゃん。貴様が俺を殺そうとする以上、お嬢ちゃんが風呂に入っている時も、トイレで用を足している時も、無防備な寝顔を晒している時も、いつでも貴様を視ているんだ…このデカイ乳に、いつ風穴開けてやろうかってな…」

乳房にネヴィロスの銃口を押し付ける邪悪。

スマホの電話口で、対策局長がどうした、何があったと問い掛ける声も耳に入らない。

生まれた初めて味わう、失禁してしまいそうなほどの恐怖。

それでも。

「お…お嬢ちゃんなんて呼ぶんじゃないわよ…っ!」

震える声で、セシルは気丈に睨み返した。

「私はセシル・カイル兵曹長!お前を撃ち殺す相手よ!化け物!」