怪異駆逐対策局の一個中隊が全滅したという廃墟。

セシルはその場所に足を運んでいた。

今も残る血痕、『KEEP OUT』のテープが風に揺れる。

「対策局長」

スマホ片手に、セシルは現場を見る。

「現場に到着しました」

『そうか』

電話の向こうで、対策局長は低い声で言う。

『出向してくるなり、現場に向かいたいと言い出した時は驚いたが…何か考えでもあるのか?』