黒十字、邪悪なり

新たに巣穴に嵌まった、新鮮な肉二つ。

ゾンビ達はヨセフとセシルに一斉に視線を向ける。

こんな連中に足止めを食らって、ベナルに追いつかれるのは面白くない。

構っている暇はないのだが、こいつらを仕留めなければこちらが殺られてしまうのも事実。

「お前は下がっていろ。そんな長得物の銃では狭い空間では戦えまい」

鍼を両手逆手持ちで構えるヨセフ。

「いえ、大丈夫です」

セシルはゾロターンカスタムを足元に置いた。

重火器がなくても戦えるという事か。

「…好きにしろ」

ヨセフは動いた。

左右の鍼を駆使して、ゾンビ達の首を刎ね、額を貫く。

ある程度距離を置けるだけの空間が確保できると、今度は鍼を投擲しての遠距離戦に移行した。

ゾンビにて傷を負わされると、こちらもアンデッド化してしまう。

接近戦はなるべく避けたかった。