「何とか言ったらどうだね!」

尚もまくし立てる事務次官。

「最近多発している屍人(ゾンビ)や食屍鬼(グール)、吸血鬼(ヴァンパイア)とかいう得体の知れない化け物どもの発生!警察力だけでは対応しきれない、それらの駆除の為に、秘密保護法を駆使して国民には内密のまま怪異駆逐対策局を編成したというのに!そんな多数の犠牲者が、しかもたった一匹の化け物に殺されたとあっては、国民に隠し切れるものではない!」

確かに、そのような組織の存在が公になれば、同時に化け物の存在が明るみに出る。

人間を殺し、食らい、尚も増え続ける未知の存在、化け物(フリークス)。

通常の銃火器では駆除するどころか傷つける事さえできない異形の者が徘徊している事を知られれば、世間は瞬く間にパニックに陥りかねない。