そんな危険区域とも言える九龍都市の東西通路・龍城路。

そこから一路横に行った通りが、光明街である。

先に述べた通り、携帯電話の電波はおろかアマチュア無線でさえ全く通らない奥まった場所。

万が一、この場所で身の危険が及んでも、助けは呼べない。

怖いもの見たさで九龍都市に迷い込んだ一般人は、この光明街で行方不明となり、身ぐるみ剥がされ、臓器すら売られて裸で都市の外へと放り出される。

それならばまだいい方だ。

この九龍都市から『生きて出られた』のだから。

九龍都市には、住人さえ恐れ戦くモノが蠢いている。

この都市は、人間以外も棲む場所なのだ。