この雑多で混沌とした巨大なスラム街の様相から、嘗て香港・九龍の九龍城地区に造られた城塞『九龍城砦』を想起する者も多く、この都市を『九龍都市』と呼ぶようになった。

都市内の街道の名も九龍城塞に倣ったものがそのまま使われ、まさしく日本の九龍城砦と言えた。

名前を皮肉っているかの様に日が一日中当たらず、携帯電話の電波はおろかアマチュア無線でさえ全く通らない『光明街』、大きな井戸がある『大井街』、娼婦達が立ち、アヘン窟なども存在するという。

各棟の建物の階数や各階の高さが違い、カオス的な外観の一因となっている。

無計画な建設の為に九龍城砦の街路は迷路と化した。

『九龍都市には一回入ると出てこられない』といわれる所以はここにある。

また行政権が及ばない為に、諸外国からの難民や犯罪者などで人口流入は更に激しくなり、過度の居住人口により次第に無計画な増築によるスラムが出来上がっていった。

そういった住人達によって、売春や薬物売買、賭博、その他違法行為が行われているという。