ベナル大災厄という事件があった。

46万もの人々が住む都市が、一夜にして不死の化け物達の跋扈する死都に変貌するという、俄かに信じ難い事件。

人間を食らう屍人、食屍鬼、生き血を啜る吸血鬼と化し、襲われた者もまた化け物に変わる。

際限なく続く化け物化の連鎖。

この連鎖を止める為に投入されたという、厚生労働省怪異駆逐対策局の隊員達も、為す術なく軒並み全滅。

ネズミ算式に増えていく不死の化け物達を止める手立てはなく、この国の存亡にさえかかわる事態となりつつあった。