ドッペル・ゲンガー

 学校にでも寄ってみるかな。

 結局、三人の共通の場所といえば高校ぐらいしか思い浮かばなかった。

 透の家の方向とは少しだけずれるけど、ここからなら十五分ほどあれば辿り着ける。

 そこから透の家に向かったとしても、ロスする時間は十分ぐらいだ。

 どうせどこに向かうのも賭けみたいなものなら、思いつく範囲をまず回ってみればいい。

 私は踵を返して学校の方へと進行方向を変えた。

 何だかとんでもない事になったな。

 ただうたた寝をしていただけなのに、どうしてこうなったのか。

 私とまったく同じ容姿をしたあの女は何。

 しかも、どうして私の命を狙うのか。

 そういえば、ドッペルゲンガーという話を耳にした事がある。

 見たら死ぬなんて言われている、自分と瓜二つの正体不明の人物。

 あの女もそうなの?

 だとして、どうして急に私の前に現れたのか……

 謎が多すぎる。

 この悪夢のような状況を終わらせるにはどうすればいいのか。

 そこが一番問題だった。

 無事逃げ切れたとしても、この世界から抜け出せなければ意味がない。

 永遠に閉じ込められたままなら、命はあってもそれは死んだも同然。