ドッペル・ゲンガー

 やっぱり……

 俺が伸ばした視線の先。

 何度も角を曲がり続けていた人影は目の前に現れた学校の正門の奥へと進んでいった。

 不審者決定だな。

 こんな時間に学校に入る人間なんてまずいない。

 学校関係者でないとしたら、立派な不法侵入だ。

 それにしても何で門が開いているのか。

 ゆっくりと正門に向かって歩きながら眉をひそめる。

 職員だったのか?

 いよいよ正門前まで到着した俺は、遠目に奥の方を眺めた。

 ……いた。

 疑問に対する答えが見つからないまま、俺はその背中を目で追った。

 グラウンド?

 てっきり校舎の方へ向かうものだと勝手に考えていたので、少し拍子抜けした。

 そいつが向かっているのは校舎とは反対側、つい数時間前まで俺が部活の練習をしていたグラウンドの方向だった。