外はもう真っ暗で
街灯の明かりしかなくてとても怖くて怖くて
何度も何度も車のドアをドンドンと叩く
「パパあけて!!
パパーっ!!」
怖くて怖くて泣きじゃくる私
それを冷たく見下ろして父は車を発進させ
私を置いていった
悲しかった。怖かった。
その場で私は泣きじゃくるしかなくて
何度も何度も"パパ"って叫んだけど戻ってきてくれなかった
どれくらいそこに居たのか
多分ほんの何分だったと思うけど
私の前に車が一台止まって
おりてきた人が私を抱きしめた
「みつば!
よかったみつば大丈夫?」
そう、母が来てくれたんだ
私は母が来てくれた安心でただ泣きじゃくって
必死にパパがパパが!
って説明をしたけど、何を話したかはあんまり覚えてない
それから二度と父は私の前に現れることなんてなくて
家にも帰ってこなかった
そう、私と遊んだあの日の朝
父は母と離婚をしてしまっていたの
私の中で最後の父の顔は
とても怖い顔でずっと記憶に残ってる
────────────◌。˚✩
「…というわけなの」
私がひとしきり話終えると
まだ、黙ったままの湊くん
うん、これで全部じゃないんだ
もしかしたらもう、永豊くんに聞いてて知ってるのかもしれない
だから待ってるのかな?
どっちにしろ言わなくちゃだね



