ドアを開けて入ってきたのは

お母さんに四葉

芽命に冬織くん



そして湊くん…







みんなの顔は青ざめていて
やっぱり私はもう危ないんだと悟る





なら…苦しくても伝えたい




最後の言葉をきかせたい






でもすごく苦しい…声…出せるかな?











「ゲホゲホッゲホゲホッゲホッ…
はぁ…はぁ…みん…なゲホッ」











聞こえますか?


私のこの声…






みんなちゃんと私の顔を見てくれてる



芽命とお母さんなんかもう、ぐちゃぐちゃに泣いていて…
四葉も男の子なのに泣いちゃって…

冬織くんは涙目だね







でもみんなが泣いている中
一人、湊くんだけは笑っていた




いや、いつものように優しく微笑んでくれていた











「ゴホゴホッ…はぁ…はぁ…」





「あせらなくていいよ
いつもみたいにゆっくりでいいから」











そう、湊くんが言ってくれる




ありがとう




私はその目の端にある涙の存在
知ってるよ






微笑んでくれて



暖かい言葉で安心させてくれて



ありがとう