湊くんに連れてこられたのは
病院の敷地にあるクローバーがいっぱい咲いているところだった











「クローバーだー♪」





「今日来る時見つけたんだよー」





「四葉探そう♪」





「おー、なんか四葉探そうって如月ドッペルゲンガーのこと言ってるみたいだな!」











た、確かに…



私が苦笑いしていると湊くんは手をポンっと叩く











「今度から四葉のクローバーのこと
約束のクローバーって呼ぼう!」





「約束のクローバー?」





「俺とみつばの毎日渡すって約束のクローバーだから約束のクローバー!」











"約束のクローバー"


なんか…素敵だなぁ♪




二人だけが知ってる呼び名


二人だけが呼ぶ呼び名




ロマンチックかも…♪











「二人だけの秘密だね」





「そうだなっ」











幸せだなぁ



私はクローバーの中にゴロンと寝転がる



今日はよく空も晴れてて気持ちがいいな











「汚れるぞ?」





「大丈夫」











仰向けになったまま静かに流れる空を眺める



こうしているとなんだか自由になったような…
そんな感覚になる











「私鳥になりたいな…」











自由に羽を広げ、大空を飛び回る鳥になりたい





私が呟くと湊くんはぼんやりと座ったまま空を仰ぎみた