紙飛行機にのせて…

「何で、一緒に抜けたわけ?」

「えっと、あはは…」

抜けてきた女子の名前は、斉藤清香-Kiyoka.Saitou-と、話の中で出てきた。


「ストーカーするつもり?」

「違うよ!!」

「ふーん…で?何で一緒に抜けたわけ?」


慎也は、
ふと、彼女が琴美に似ていると思った。
何かが…



「抜けてきたのはね、たまたまなの!」

ファミレスから離れにある公園になんとはなし、足が向いた。


「ふーん。ま、良いけど。たまたまだったら。じゃあね。」

公園から去り、家へと帰った…


***

家に帰る直前、
紙飛行機が、慎也の横をすりぬけた。

なんとはなし、手に取る。
自分が飛ばしたものだと、直ぐ分かった。


「何処に飛んでったか不思議なのは…当たり前か?」

雨風でやられている箇所があった。

開いてみると、進路希望調査の紙だった。

ぴしりと固まった、少しの間。

近くのゴミ箱にそれを捨てた。
ビリビリに破いて…


「進路とか…夢とか…どうでも良い。くだらないから…」

小さくつぶやき、家の中へ入っていった…