紙飛行機にのせて…

「あ、私行くよ。」
女子が1人、手を上げた。

「適当で良いよ。」


女子1人と慎也はドリンクバーのある場所に向かう。

座った席から数センチ先だった。

「えーと、古住は炭酸だっけ…何が良いかな…コーラ以外で。

僕は、野菜ジュースっと。」

「適当って…あ、紅茶にしよ。で、フルーツミックスかな…私はアイスコーヒーで…」


それぞれのドリンクバーを注ぎ終わり、
「はい。古住。それと…女子1人。」

「サンキュー!」

「ありがとう。紅茶かぁ。」

席に戻ると、注文したものが全て届いていた。


「でな、話の続きだけどよ。」
古住が、フライドポテトをひとつまみ。

「何だっけ?」

「どうする?進路!」

(進路の話しか…)


進路とかは、慎也にとっては嫌な話しだ。

「あー、うちは決まってる。大学進学だよ。お金かかるけど…てか、決まってないとか…やばいと思うよ。」

(それくらい分かってる。誰だって…けど…)

「ふーん。」

「って!何で聞くわけ⁉︎」
女子1人がどついた。


「あはは。ゴメン×2なんとなし?何かさ、気になちゃったのかな?俺は大工になるで。」

慎也は黙って聞いてる。

「そういや、都月は、医学を学ぶんやろ?医学部のある大学か、医療大学行くんやろ?」

古住が、慎也に話をまわしてきた。

慎也は、
「別に。どうでも良いし。」
と、スッパリ言った。

立ち上がり、500円をテーブルに置き、

「帰るから。」
出口へと向かって行った…


「お金は、友達が払いますので…」
会計付近にいたウェイターにそう言って、出ていった…

ゲーセンで話していた女子と一緒に…


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