「は?」
慎也は、その一言しか言えなかった。


『あ、授業始まるかもな。そうそう、見つけたら…れん…』

切った。
そして、電源を落とした。

「父さんなんて、嫌いだ…」

電話なんかに出ない。
父親の電話なんかには…

けど、今回は“たまたま”!
表示を見ずに、出てしまったのだ。


***

「で〜、あるから…」
授業が身に入らない。


『琴美ちゃんが…いなくなった。』
父親の言ったことが、頭の中から離れかった。


(くそ…イライラする…)

ガタン!
慎也は立ち上がった。


「都月?どした?」
そして…


「都月⁉︎どこ行くんだよ!おい!」
教室を出て行った…