あっという間に3月がきて、3年生は卒業していった。同い年の子の中にも先輩との別れが悲しくて泣いちゃっていた子も何人かいた。

あたしはというと…全然泣かなかったし、泣けなかった。

先輩が卒業していくこと…それはあたしと先輩が今後一切関わることはないということさえもを示していた。

でもそれでよかった。
そうじゃないといけなかったんだ。

卒業式が終わる頃。小さな小さな声で一言だけ言った。
これだけは先輩に伝えたかったから。



「先輩。ご卒業おめでとうございます。
あたしに素敵な気持ちをくれてありがとうございました。幸せに…なってください…。」