「…5分。」
「へっ…!?」
「もう5分たったんだけど。」
「う゛。」
あれからずーっと
っていっても5分間だけど、
動かぬまま時間だけが過ぎていた。
「…はぁ。」
ピクッ…
海璃くんのため息。
ど、どうしよう。
飽きられたかな。
「紫乃。こっちこい。」
「…へっぇ」
「こっち来るぐれぇできんだろぉが。」
「はっはい。」
そしてやっとドアとお別れし、
海璃くんがいる
blackのふかふかソファに移る。
海璃くんの前に立った時、
「きゃあっ…!!」
腕を引かれ、
海璃くんに飛び込んだ。
そして、その流れで
ソファに押し倒されて、
私の視界は海璃くんでいっぱいになり、
両手は耳の横で押さえつけられ、
私の足のあいだに海璃くんの足が
あり、私が抵抗するすべがなくなった。
「紫乃。」
「はっ…ぃ。」
少し顔をあげたらキスできそう
なぐらい顔が近い。
し、心臓っ。潰れる…っ。
ドクンドクンうるさい。
「ここまで俺がやってやったんだ。
言えるよな?」
「…っ。」
海璃くんの目が真剣かつ本気だ。
そして私は言うのである。
